スイス・アーラウの街でうまれたひとりの絵本画家のものがたり フェリックス・ホフマン-⽗から⼦への贈りもの- 展

 今から108年前、スイス北部の小さな街アーラウで生まれたフェリックス・ホフマン。画家になりたかった彼は、美術学校で木版とイラストレーション、さらに銅板、石版の印刷技術を学びます。美術教師の職を経て、1937年には長女サビーネの誕生とともに父親となり、40年には次女クリスティアーネ、43年には三女スザンヌが生まれます。45年、長男ディーターが生れるとき、百日咳にかかって兄弟にあえなかった三女スゼンヌをなぐさめるためにつくったのが、彼の最初の絵本『おおかみと七ひきのこやぎ』でした。

 フェリックス・ホフマンが描いたグリム童話の絵本はどれも、わが子を想ってつくられた、父から子への贈りものです。絵本を楽しむ子どもたちの心の中には、父親と過ごした大切な思い出が詰まっていることでしょう。

 彼が描いた、のどかな丘隆地帯が広がるスイスの小さな街アーラウの風景は、今でも見ることができます。アーラウにある元火薬庫だった塔と近くのレンツブルク城は『ねむりひめ』に、ホフマンが最初のアトリエにしていた家は『おおかみと七ひきのこやぎ』に登場します。また、アーラウの街を歩いていると、彼の描いた壁画やステンドグラスに出会えます。

 本展では、手描きの絵本をはじめ、絵本の最終稿、絵本の原画、スケッチなどに加え、美しいアーラウの街に今も残る壁画やステンドグラスの下絵、写真による複製を展示します。フェリックス・ホフマンの遺した数々の作品と、彼が生まれたアーラウの街並みから、スイスの美しい風景と、愛する人を想う人びとの優しさを、感じていただけることでしょう。


《おおかみと七匹のこやぎ》終扉(c) Felix Hoffmann



《七わのからす》(c) Felix Hoffmann


【関連イベント】

館長・武井利喜と絵本作家・さとうわきこの「ホフマンさんのはなし、ちょっときいて!」
▽日時|6月22日(土)14:30〜15:30
▽場所|喫茶室(絵本図書館となり)

人形劇とおはなし会☆ 「3びきやぎのがらがらどん」?
▽日時|5 月11 日(土)・12 日(日)
▽場所|絵本図書館


《同時開催》
さとうわきこ絵本原画展




インフォメーション

日程2019年4月25日(木)~7月7日(日)
会場八ヶ岳小さな絵本美術館
時間10:00~17:00(入館は16:30まで)/毎週火曜日、第2 ・第3水曜日
チケット料金大人700円/中高生400円/小学生300円 ※団体・各種割引あり
詳細ホームページhttps://www.ba-ba.net
お問い合わせ先八ケ岳小さな絵本美術館 Tel. 0266-75-3450