県立長野図書館、内田洋行とネーミング・ライツ・パートナー協定を締結、「知識情報ラボUCDL」をスタート

ワークショップスペース × ICT ツール(イメージ)

 平賀研也館長を筆頭に、これからの図書館のあり方を模索し、さまざまな取り組みにチャレンジしている県立長野図書館が、同館2階のナレッジ・ラボを株式会社内田洋行とネーミング・ライツ・パートナー(提案募集型)協定を締結、新たに「知識情報ラボUCDL(ウチデル)」として2017年10月1日から運営がスタートした。

 ナレッジ・ラボではこれまでもiPadやパソコンなどを配置し、同館主催のワークショップなどを開催していたが、これまで以上に“情報と人が集まり・話し合い・創り・共有する空間”として有意義に活用していく。民間の力と公の力を合わせて「場」をデザインするこのような取り組みは長野県としては初となるそう。

 この「提案募集型」ネーミング・ライツは、不特定多数の方々が利用する県有施設を対象とし、命名権料(金銭)ばかりでなく、施設で利用可能な製品の提供やサービス(役務)の提供を受けるもので、その対象となる施設の選定や提供を受ける対価については、パートナーのニーズに合った貢献のあり方を提案してもらう制度。長野県財産活用課が6月に募集した。そしてこのたび、「ICT」と「空間」の両面から、学校教育や公共施設において、人の可能性を拡げる「場」づくりの支援にも力を入れている内田洋行がこの募集に手をあげ、ナレッジ・ラボの活用を進めたいとしていた県立長野図書館と思惑が合致した。

 iPadやPCを活用したワークショップを行ったり、ICT(インフォメーション アンド コミュニケーション テクノロジー:情報処理や通信に関連する技術、産業、設備、サービス)作業スペースとして利用できる「ワークショップスペース × ICTツール」の場となり、さまざまなモノに貼り付けたICチップに、郷土資料情報などのデジタルコンテンツを関連付けて発信することができる内田洋行の情報展示機器「Oiteminfo(オイテミンフォ)」、自由自在に動かすことができる机やイス、タッチパネルディスプレイが新たに設置される。また内田洋行のスタッフがワークショップの運営をサポートすることもあるという。

IT 屋台 –Oiteminfo(オイテミンフォ)」(イメージ)

 「知識情報ラボUCDL(ウチデル)」の担当である県立長野図書館・北原美和さんは「これからこのスペースで何ができるかを試行錯誤しながら考えていきたいと思います。われわれ職員も今まで気がつかなかった図書館の活用法を発見できるかもしれないし、今まで以上に地域と連携できることもあるでしょう。また県立図書館として新たな空間利用や資料の使い方などを地域の図書館に一つのモデルを提案できるようなことができればと考えています。もちろん私どものスキルアップも当然していかないといけないわけですが」と語る。

 また、モノを置いたりタッチパネル操作で、利用者が興味のある情報にアクセスすることができる「Oiteminfo(オイテミンフォ)」については「情報を組み込んだICチップが貼れるものであれば、お酒でも農産物でも機器に置いたりかざすことで、概要や歴史をはじめさまざまな情報が見える仕組みです。情報はわれわれが組み込まなければいけないので、どういう情報を見ていただこうか、広めようかなどを考え、図書館にある資料をもとに作り込んでいく予定です。作ったものはどんどんアーカイブできるし、更新もできるので、われわれの財産にもなっていきます」とのこと。

IT 屋台 –Oiteminfo(オイテミンフォ)」(イメージ)

 10月下旬には「知識情報ラボUCDL(ウチデル)」のお披露目を行う予定で、県立長野図書館のホームページなどで発表する。