第35回ニムラ舞踊賞受賞者は、酒井はなに決定

 ニューヨークを中心に、欧米各地で活躍した長野県諏訪市出身の世界的な舞踊家、ニムラエイイチ。
 「祖国日本で後進育成のために貢献したい」という彼の意思により、親友であり良き理解者でもあった故・藤原正男さんを通じて託された寄付金を元に1973年、基金が設立され、多くの関係者のご尽力によりニムラ舞踊賞は運営されています。
 この賞は、広く日本の舞踊界を対象として、前年までにもっとも優れた成果をあげた舞踊家、舞踊関係者を選んで、ニムラエイイチが生まれた長野県諏訪市で授賞式を行っています。

 平成27年6月16日(火)、ニムラ舞踊賞運営委員会を開催し、第35回ニムラ舞踊賞受賞者が、バレエダンサーの酒井はなさんに決定いたしました。

【授賞理由】
 2014年1月の都民芸術フェスティバル日本バレエ協会公演で『アンナ・カレーニナ』を、3月のアーキタンツ公演で『The Second Symphony』『Mopey』、NHKバレエの饗宴で『3月のトリオ』を、9月の日本バレエ協会埼玉ブロック公演で『白鳥の湖』を踊るなど、古典から創作に至る諸作品を豊かな感受性と多彩な表現力を駆使し、大きな舞台成果をあげた。永きにわたるトップ・ダンサーとしての日本舞踊界への貢献もある。その功績を讃え、第35回ニムラ舞踊賞を贈る。

【受賞者プロフィール】
アメリカ合衆国ワシントン州シアトル生まれ。
5歳からバレエを始め、畑佐俊明に師事。
橘バレエ学校に入学し、牧阿佐美、三谷恭三に師事。
14歳で牧阿佐美バレエ団公演『ドン・キホーテ』のキューピット役に抜擢され、一躍注目を浴びる。
1993年 牧阿佐美バレエ団入団し、『ドン・キホーテ』などで主役を踊る。
1997年 新国立劇場バレエ団設立と同時に移籍。柿落し公演『眠れる森の美女』に主演。
 以後、『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『ジゼル』『ドン・キホーテ』『ラ・バヤデール』『ラ・シルフィード』
     アシュトン『シンデレラ』、マクミラン『ロメオとジュリエット』、バランシン『テーマとヴァリエーション』
     『シンフォニー・イン・C』、ウォルシュ『オルフェオとエウリディーチェ』
     牧阿佐美『椿姫』の主役などを踊り、新国立劇場バレエ団の中核として活躍する。
2007年 劇団四季『コンタクト』にゲスト出演。黄色いドレスの女を演ずる。
2009年 劇団四季『アンデルセン』にゲスト出演。マダム・ドーロを演ずる。
2013年 島地保武とのユニットAltneu(アルトノイ)を結成。クラシック・バレエを軸に、コンテンポラリー・
     ダンス、ミュージカルの分野でも新境地を拓いている。
進歩し続ける技術・表現力、品格ある舞台で観客を魅了する日本を代表するバレエダンサーの一人といわれている。
現在、新国立劇場バレエ団オノラブル・ダンサー

<主な受賞>
1996年 村松賞新人賞、舞踊批評家協会賞新人賞
1997年 中川鋭之助賞
1998年 芸術選奨文部大臣新人賞
2000年 服部千恵子賞
2003年 神奈川文化賞未来賞
2005年 橘秋子賞優秀賞
2008年 舞踊批評家協会賞
2009年 芸術選奨文部科学大臣賞
 など多数受賞。

 なお、授賞式は平成27年8月4日(火)午後1時30分から、諏訪市図書館視聴覚ホールにて行われます。一般公開。入場無料・申込不要。

ニムラ舞踊賞のサイトは、こちら