「西沢今朝夷回顧展　～北信濃・ふるさとの記憶」

「村山の木橋」（2003年）

　一貫して透明水彩、そして 現場写生にこだわり制作をしてきた長野市出身の水彩画家・西沢今朝夷（1929～2014）の画業を広く紹介する回顧展。国鉄長野クラブ美術部での制作活動を出発点とし、信州美術会で篠原新三の指導を受け、1951年には日本水彩画会、一水会展、日展へ入選を果たす。そんな西沢の作品に注目し賞賛したのが、近代日本洋画壇の重鎮・石井柏亭だった。尊敬する石井との交流をきっかけに、西沢はより一層芸術への想いを熱くし水彩画研究を深めていく。

　「北信濃の道」をテーマとした今回の作品群は、西沢が1970年から約15年をかけ取り組んだ大切なモチーフ。栄村から千曲市まで、その土地ならではの美しい山川草木、空、そして風土に溶け込む人びとの営み―。西沢はその一景一景に新しい発見と驚きを見出し、飽くことなく描き続けた。精巧な描写力と透明水彩の特質を存分に生かしたみずみずしい筆致は、その場に吹く風や光までをも封じ込め、近代日本の“みづゑ”を彷彿とさせる情緒的な世界観を作り出した。

　本展では中野市所蔵の作品を中心に、初期から晩年までの約80作品を展示し、没後３年となる画家の軌跡をたどる。

　【関連イベント】

講演会
「長野県の水彩画家たち ～西沢今朝夷を中心に～」
　
　近代水彩画史を背景に長野県の水彩画がどのように発展してきたのか。
　近年の研究結果を報告。

▽日時：5月28日（日） 14:00～15:30

▽会場：信州新町化石博物館 地下１階教室 

▽講師：瀬尾典昭氏（長野県信濃美術館 学芸課 研究主幹）

▽定員：30名（先着順）

▽参加費：無料（別途入館料）

▽申込：信州新町美術館 Tel.026-262-3500　※開催3日前まで受付

ミュージアムコンサート
「二胡の調べを楽しむ」
　
　悠久の音色が響く二胡の演奏会。　
▽曲目：良宵　小花鼓　牧羊女　ほか
（二胡曲）、喜洋々　売湯圓　ほか
（中国民謡・民歌）、そのほか日本の唱歌、タンゴ、ジャズなど

▽日時：6月3日（土）14:00～15:00

▽会場：信州新町美術館 １階 ロビー

▽演奏：久保里子氏　長野二胡楽友会メンバー6名

▽定員：70名（先着順）
参加費：無料（別途入館料・小中学生は入館無料） 
▽
申込：信州新町美術館 Tel.026-262-3500　※開催3日前まで受付

ワークショップ
「水彩絵具を使った造形遊び」
　
　水彩絵具の新しくて面白い使い方を小中学校美術の先生が楽しく指導。
▽
日時：8月6日（日）
午前の部10:30～12:00
　、午後の部13:30～15:00

▽会場：信州新町化石博物館 地下１階 教室

▽定員：各回20名（先着順）

▽対象：幼児～中学生

▽材料費：200円（別途入館料）

▽申込：信州新町美術館 Tel.026-262-3500　※開催3日前まで受付