平成29年度 春季企画展「美の概念‐具象の中の抽象性‐」展

基俊太郎《草上》2002
彫刻家・基俊太郎は、「抽象とは具象でもなければ非具象でもない。造形に於て、抽象とは抽象性のこと」と言及している。優れた彫刻には作家本来の資質に加えて、芸術観を伴った抽象性が秘められている。彫刻に内部生命をもたらした荻原守衛。動くモデルが瞬間的に垣間見せる静寂さを捉えた戸張孤雁。厳密な写実に取り組み、作品に揺るぎない構造性を与えた中原悌二郎。喜多武四郎は空間を意識したデッサン力と彫刻への純粋さによって、空間性と透明感を宿した作品を作り出した。このように彫刻家の対象の捉え方や造形は多様であり、その造形は対象から抽出された美と捉えることができる。
本展では荻原守衛の系譜に繋がる戸張孤雁、中原悌二郎、石井鶴三、喜多武四郎、基俊太郎の6人の彫刻家を取り上げ、作品に見る抽象性を、作家自身の言葉と写真パネルを交えてご紹介。

中原悌二郎《墓守老人》1916

戸張孤雁孤雁《煌めく嫉妬》1924
【展示作品】
荻原守衛 《灰皿》1909年 《香炉》1909年
戸張孤雁 《曇り》1917年 《煌めく嫉妬》1924年 《海女》1924年
中原悌二郎 《女のマスク》1910年 《墓守老人》1916年 《憩える女》1919年
喜多武四郎 《裸婦立像》1923年 《横座婦》1934年 《水際》1958年
石井鶴三 《猫》1938 年 《歌う女》1957年
基俊太郎 《仔山羊》1951年 《草上》2002年
その他 デッサン・スケッチ
日程 | 2017年4月15日(土)~5月28日(日) |
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会場 | 碌山美術館 第2展示棟 |
時間 | 9:00〜17:10(入館は16:40まで)/5〜10月無休 |
チケット料金 | 大人700円/高校生300円/小中学生150円 |
詳細ホームページ | http://www.rokuzan.jp/ |
お問い合わせ先 | 碌山美術館 Tel.0263-82-2094 |