<企画展>没後10年「長新太の脳内地図」展

長新太 『チョコレートパン』(福音館書店)より 2000年

独特のユーモアあふれるナンセンスな感覚で
戦後の日本の絵本界に心境地を開拓


長新太は1949年のデビュー以来、2005年に亡くなるまで、
漫画家、イラストレーター、エッセイスト、絵本画家として多彩な活躍をしました。
なかでも先鋭的なナンセンス絵本で日本の絵本に大きな足跡を遺しています。
本展では、長の全画業を俯瞰し、その特異な発想の源を探ります。
「イマジネーション」と「センスとナンセンス」の2部構成で、
互いに重なり合う10のテーマから迷宮のように広がる長の脳内にご案内します。



長新太 <破滅への道>は地図にでているか 1973年

長新太 <破滅への道>は地図にでているか 1973年



[イマジネーション]


たっぷりした筆致と豊かな色彩で伸びやかに描かれた広大な空間、
擬音語を取り入れたことばによる荒唐無稽な物語……。
生理的な快さを喚起させる長の絵本には、おもしろさを貪欲に求め、
身体全体で快さを味わう子どもの感覚が備わっているかのようです。
「イカ・タコ」「巨大な……」「ライオン」「変身」の4つのテーマからその発想を探ります。


[センスとナンセンス]


「ナンセンスだからといって、ひとりよがりじゃいけない」と語った長は、着想を描きとめたラフの段階から、
複数のダミー本を経て、余分なものをそぎ落として、絵本のかたちに仕上げています。
「長新太の絵本づくり」「漫画―線の表現」「ナンセンス」「快と怪」「ちへいせんのみえるところ」「記憶」
6つのテーマから作品の背後にある長の透徹した視点と生理的快さを追求する感覚に迫ります。



長新太 
1927年、東京に生まれる。
1949年、東京日日新聞のマンガコンクールに一等入選し、漫画家となる。
1958年、堀内誠一の勧めで、最初の絵本『がんばれ さるのさらんくん』を手がける。
1959年『おしゃべりなたまごやき』で文藝春秋漫画賞、
1981年『キャベツくん』で絵本にっぽん大賞、
2005年『ないた』で日本絵本大賞をはじめ受賞多数。柔軟で斬新な発想の絵本を発表し続け、日本の絵本界にナンセンスの分野を切り開いた。
2005年、没。



長新太 『イカタコつるつる』(講談社)より 2004年 刈谷市美術館蔵

長新太 『イカタコつるつる』(講談社)より 2004年 刈谷市美術館蔵



【関連イベント】


長新太だらけのおはなしの会 キャベツくんがやってくる!
長新太の絵本を楽しむおはなしの会を行います。
特別出演は、あのキャベツくんです。キャベツくんとの記念撮影も予定しています。
日  程◉10/1(土)・11/5(土)
時  間◉13:00~13:30
申  込◉不要(参加自由)


パパ’s絵本プロジェクトの絵本ライブ!
現役のパパたちによる絵本読み聞かせユニット「パパ’s絵本プロジェクト」が、安曇野ちひろ美術館にやってきます。キャベツくんも特別出演予定!
日  程◉11/13(日)
時  間◉14:30~
定  員◉40名(先着順)
申  込◉要事前予約(ちひろ美術館HP、TEL.0261-62-0772、美術館受付にて)


「ギャラリートーク」
展示室で作品を見ながら、担当学芸員が展示のみどころなどをお話しします。
日  程◉10/8(土)・10/22(土)・11/12(土)・11/26(土)
時  間◉14:30~15:00
申  込◉参加自由(事前申込不要)
料  金◉無料(入館料別)




インフォメーション

日程2016年10月1日(土)~11月30日(水)
会場安曇野ちひろ美術館 展示室4
時間9:00〜17:00/第2・4水曜日休館(祝休日は開館、翌平日休館)
チケット料金大人800円/高校生以下無料/学生証をお持ちの方・65歳以上は700円/ 障害者手帳ご提示の方は400円、介添の方は1名まで無料/視覚障害のある方は無料 ※団体割引あり
詳細ホームページhttp://www.chihiro.jp/azumino/
お問い合わせ先安曇野ちひろ美術館 Tel.0261-62-0772