出久根育絵本原画展

絵本作家・出久根育は、武蔵野美術大学卒業後、2002年からチェコ・プラハで暮らしながら、
2003年にBIB(ブラティスラヴァ世界絵本原画展)のグランプリ受賞、2006年に日本絵本大賞受賞など、
絵本や挿絵を中心に活躍しています。
また、両国で個展を開き、古典技法のテンペラをはじめとし、様々な技法の作品を精力的につくり続けています。

今回展示の『ひのきとひなげし』は、出久根が絵本として初めて手掛けた宮沢賢治童話です。
「本当の美しさとは何か」を諭す宮沢賢治の哲学的なお話を、複雑な色合いを上手に配置し、
自然の美しさと、愚かな心持ちに潜む闇、時の経過の残酷さを表現しています。
賢治の言葉と絵が見事にあいまって、見ている人の心に染みこみ、深く考えをめぐらせることのできる絵本です。
また、4匹のこうさぎきょうだいの春夏秋冬4つの素敵な出会いと出来事を描く「こうさぎ絵本」シリーズの、
春の物語『もりのおとぶくろ』と、冬の物語『こうさぎと4本のマフラー』は、子どもたちに大人気の絵本です。
画家が暮らしている、チェコの風景や暮らしの取材を重ねて、作品の中に上手に登場させています。


この展示では、画家がどの場所や物をモチーフにしたのか、こうさぎたちの取材レポートも紹介します。
同時に、『ひのきとひなげし』にあわせて、より宮沢賢治の物語世界への理解を深めていただけるよう「所蔵宮沢賢治絵本原画展」として、
森のおうち所蔵、いせひでこの描いた賢治童話絵本の原画を展示します。


【展示作品】
『ひのきとひなげし』(宮沢賢治・作/出久根育・絵/ミキハウス)
『もりのおとぶくろ』(わたりむつこ・作/出久根育・絵/のら書店)
『こうさぎと4ほんのマフラー』(わたりむつこ・作/出久根育・絵/のら書店)



【関連イベント】
宮沢賢治「いのちの讃歌、自然の讃歌」
日時◉10月1日(土)14:00〜
会場◉絵本美術館森のおうち
1部◉「語りと音楽で紡ぐ、賢治からのメッセージ」
 構成・演出:酒井倫子
 朗読:森のおうち お話の会
 作曲・ピアノ演奏:川口耕平
2部◉「賢治の詩による四つの歌」
 作曲・ピアノ演奏:川口耕平
 歌:海野紀美子(ソプラノ)





インフォメーション

日程2016年9月16日(金)~11月15日(火)
会場絵本美術館 森のおうち
時間9:30〜17:00(入場は16:30まで)/木曜休館
チケット料金大人800円/小中学生500円/3歳以上250円
詳細ホームページhttp://www.morinoouchi.com/
お問い合わせ先絵本美術館森のおうち Tel.0263-83-5670