日本民藝館所蔵 生誕 130 年 バーナード・リーチ展

バーナード・リーチ《ガレナ釉筒描山羊文皿》1952年 日本民藝館

松本市域が工芸の街になる「五月」。松本市美術館はその事業に合わせ、例年、工芸やデザインに関連した展覧会を開催しています。
今年はひとりの陶芸家を取り上げることになりました。

1909年、英国人の若者が、かねてから憧れを抱いていた日本にやってきます。バーナード・リーチ(1887〜1979)です。エッチングを通じて、柳宗悦(やなぎ・むねよし)ら雑誌『白樺』の同人らと交流を深め、英国の芸術を紹介することにも情熱を傾けました。一方で、六代尾形乾山(おがた・けんざん)に入門、陶芸家として歩みはじめます。柳のおこした民藝運動にも傾倒し、母国に戻って濱田庄司(はまだ・しょうじ)と二人で窯を築き、伝統的な英国の陶器復興を目指しました。まだ「陶磁器の生産=職人の仕事」とみなされていた時代、英国で一人の陶芸家として自立するには多くの困難が待ち受けていました。しかし、リーチにはそれを打破する信念と理想がありました。
香港で生まれ、日本で幼少期を過ごしたリーチ。洋の東西の文化を体験する中で育まれた「東と西の結婚」という思想は、リーチの理想的な世界観でした。その後も何度か来日するなかで、日本各地の民窯を訪ねて共に制作し、風物をスケッチするなど、その経験はリーチの芸術活動にも大きな影響を与えました。また、松本には戦後、柳宗悦と行動をともにする形で長期滞在し、地元のひとびとに講演を行い、松本民芸家具では英国の伝統家具の知識をもとに家具のデザイン指導も行いました。日本の各地に美の足跡をのこしたリーチの、エッチング、絵画、陶器など、多岐にわたる作品と関連資料を、ゆかりの地・松本で初めてご紹介する回顧展です。


バーナード・リーチ《緑釉櫛描水注》1954年 日本民藝館

バーナード・リーチ《緑釉櫛描水注》1954年 日本民藝館


【関連プログラム】
記念講演会
原田マハ(作家)「リーチを追いかけて 小説『リーチ先生』でたどるバーナード・リーチの足跡」
新聞の連載小説『リーチ先生』の作者・原田マハ氏による講演。講演会終了後には、原田氏のサイン会も開催します(指定の著作本を当館ミュージアムショップで購入された方が対象)。
▽日時|4月24日(日)13:30~15:00
▽会場|多目的ホール
▽料金|無料(ただし、本展覧会の観覧券または半券が必要)
▽定員|先着100名
▽申込|美術館へ(事前のお申込みが必要です)
■原田マハ氏のサイン会について
 当館ミュージアムショップで、原田マハ著『ジヴェルニーの食卓』(集英社)か『暗幕のゲルニカ』(新潮社)を購入された方を対象に、サイン会整理券を発行いたします。詳細は美術館へお問合せください。

ワークショップ
「美を繕う ~陶磁器の修復体験~」(連続講座)
▽日時|4月27日(水)・28日(木)各日とも13:30~16:00
▽講師|堀井真美(松本市美術館学芸員)
▽会場|講座室・市民アトリエ
▽対象|一般
▽定員|先着10名程度
▽料金|500円
▽申込|美術館へ(事前のお申込みが必要です)

学芸員によるギャラリートーク
▽日時|5月6日(金)・13日(金)・20日(金)・27日(金)、6月3日(金)各日とも 14:00~
▽料金|無料(ただし、当日有効の展覧会観覧券が必要)
▽定員|各回20名程度
▽申込|不要 ※企画展示室前に集合。


バーナード・リーチ《ラダーバックチェア》1953年 日本民藝館

バーナード・リーチ《ラダーバックチェア》1953年 日本民藝館

インフォメーション

日程2016年4月21日(木)〜6月5日(日)
会場松本市美術館 企画展示室
時間9:00〜17:00(入場は16:30まで)/月曜定休(5月2日・30日は臨時開館)
チケット料金大人1,000 円/大学高校生・70 歳以上の松本市民 600 円 ※団体割引などあり
詳細ホームページhttp://matsumoto-artmuse.jp/
プレイガイド

【優待日】5月1日(日)の市制施行記念日は観覧料半額
リピート割引:大人600円、大学高校生・70歳以上の松本市民300円
※2回目以降の観覧料 前売券:大人 800 円、大学高校生と 70 歳以上の松本市民 400 円

お問い合わせ先松本市美術館 Tel.0263-39-7400