橋本雅邦と幻の四天王 ―西郷孤月・横山大観・下村観山・菱田春草―

橋本雅邦《龍虎図》宮内庁三の丸尚蔵館

旧松本藩士の家庭に生まれた西郷孤月(1873〜1912)は、東京美術学校に第一期生として入学。在学中から頭角を現し、研究科修了後は助教授として指導にあたりました。日本美術院創立には中心人物のひとりとして尽力し、横山大観(1868〜1958)、下村観山(1873〜1930)、菱田春草(1874〜1911)とともに、橋本雅邦(1835〜1908)門下の四天王と呼ばれます。
 しかし、雅邦の娘との結婚が破たんすると、孤月は次第に日本美術院から距離をおくようになり、38歳で亡くなるまでの約10年間は放浪の旅のなかで描き続けます。残された孤月の作品はどこか寂しく、それでいて見る者を惹きつけてやまない魅力があります。
 本展は、かつて橋本雅邦のもとで肩を並べ、新しい日本画創出のため、互いに腕を競い合った4人の画家の友情を、ともに活動した明治期の作品に的をしぼり、振り返るものです。師・雅邦とその門下の画友たちの歴史。100年の時を超えて、孤月と彼らとの再会を、この展覧会を通じて実現したいと考えています。


【関連イベント】
▽記念講演会「明治時代の絵画-日本画を中心に-」
 日時/11月7日(土) 14:00~15:30
 会場/松本市美術館 多目的ホール
 講師/小川 稔(松本市美術館館長)
 料金/無料
 定員/80 名
 申込/10月6日(火)から美術館へ

▽ギャラリートーク/展覧会担当学芸員による作品解説
 日時/11月13日(金)・20 日(金)・27 日(金) 各日とも14:00〜
 料金/無料(ただし、当日有効の本展観覧券が必要です)
 定員/20 名程度
 
申込/事前の申し込みは不要です。会場入口前に集合。

西郷孤月《春暖》東京藝術大学

西郷孤月《春暖》東京藝術大学


横山大観《菊慈童》吉野石膏株式会社蔵(東京国立近代美術館寄託)

横山大観《菊慈童》吉野石膏株式会社蔵(東京国立近代美術館寄託)


下村観山《仏誕》東京藝術大学

下村観山《仏誕》東京藝術大学


菱田春草《黒き猫》永青文庫(熊本県立美術館寄託)

菱田春草《黒き猫》永青文庫(熊本県立美術館寄託)

※菱田春草《黒き猫》の展示は後期のみです。

インフォメーション

日程2015年10月31日(土)〜 11月29日(日)
会場松本市美術館 企画展示室
時間9:00〜17:00(入場は16時30分まで)/月曜日(祝日の場合は次の平日)
チケット料金大人1,000 円/大学高校生・70 歳以上の松本市民600円/中学生以下・障害者手帳携帯者とその介助者 1 名無料 ※団体割引あり
詳細ホームページhttp://matsumoto-artmuse.jp/
お問い合わせ先松本市美術館 Tel.0263-39-7400