「過ぐる日のやまねこ」

鶴岡慧子監督作品『過ぐる日のやまねこ』×「上⽥映劇」劇場再⽣プロジェクト、始動!

　未来を担う映画作家の育成プロジェクトとして、園⼦温、⽮⼝史靖、李相日、荻上直子、内田けんじ、石井裕也らの商業デビュー作を世に送り出してきた PFF（ぴあフィルムフェスティバル）スカラシップから、またしても⼤型新人が登場！　立教⼤学卒業制作の初長編映画『くじらのまち』でPFFアワード2012グランプリ＆ジェムストーン賞をダブル受賞、ベルリン、釜山など各国の映画祭で上映され、東京藝術大学大学院在学中に撮った長編二作⽬目『はつ恋』がバンクーバー国際映画祭ドラゴン＆タイガー部⾨にノミネートされるなど、若くして国際舞台でその才能を注目されてきた26歳の新鋭女性監督・鶴岡慧⼦子です。本作『過ぐる⽇のやまねこ』でいよいよ待望の劇場デビューを果たします。

　本作の舞台は、近年では映画『サマーウォーズ』や来年の大河ドラマ「真田丸」の舞台として脚光を浴びる長野県上田市。そして鶴岡監督の故郷でもあります。黒澤明や小津安二郎など多くの映画の舞台となった “映画のまち”上田。この地で⼤正６年に創業し、約100年にわたり信州のエンターテイメントを支えてきたのが名物劇場、上田映劇です。上田映劇は、シネコンの進出を機に2011年に定期上映を廃業し、現在は不定期で上映を継続しているものの、歴史的価値ある建物の老朽化が進み、維持運営が困難な状況です。しかし地域のエンターテイメントを支え続けるため８月よりクラウドファンディングを実施、リニューアルオープンに向けての費⽤を募っています。そこで今回、『過ぐる⽇のやまねこ』を上田映劇で上映し、その収益を修繕費用として活⽤する「上田映劇再⽣プロジェクト」の実施を決定しました。上田から世界に羽ばたく若⼿監督と、地元で映画の歴史を支えてきた⽇本最古級劇場との夢のタッグの実現です！

　※ クラウドファンディング実施サイト:「創業100年を迎える上田映劇の修復・活用をみんなで応援しよう!」

『過ぐる⽇のやまねこ』解説・ストーリー
あの⼈はなぜ行ってしまったのだろう。そして私はなぜ、ここにいるのだろう。
偶然に出会った⼆人が、互いの傷に寄り添い、癒され、やがて見つけた「答え」とはー
都会の喧騒から逃れるように、幼少期を過ごした田舎町に向かった21歳の時⼦。いつかそこを出ていく⽇を待ちながら、孤独にキャンバスに向かう高校⽣の陽平。緑深い山の中、⻑年放置されていた小屋で偶然に出会った二人は、かけがえのない⼈を失った者同士、互いの気持ちに感応し、癒されていく。そして失われていた記憶が蘇る時、二人を取り巻く「死」の真実が明らかになる̶—̶。

監督・脚本／鶴岡慧子
出演／木下美咲、泉澤祐希、植⽊祥平、中川真桜、⽥中要次、⻄尾まり、⽥中隆三
プロデューサー／天野真弓
2014 年年/DCP/92 分/カラ―/英題:Lingering Memories/
製作:PFF パートナーズ（ぴあ/ホリプロ/⽇活）、アミューズ、コトプロダクション、凸版印刷、Eight and Half 提携作品
協力:上田市、信州上田フィルムコミッション
配給・宣伝:マジックアワー
©「過ぐる⽇のやまねこ」製作委員会 yamaneko‒movie.com

鶴岡慧子
1988年生まれ、長野県上⽥市出身。両親の影響で幼い頃からものづくりに親しみ、小学⽣の時に自分の表現欲を一番満たせるのは映画だと直感立教大学現代心理学部映像身体学科で万田邦敏監督に師事し、2012年に卒業。卒業制作の初長編映画『くじらのまち』が第34回PFF（ぴあフィルムフェスティバル）「PFFアワード2012」においてグランプリとジェムストーン賞（日活賞）をダブル受賞する。その後、同作品は第63回ベルリン国際映画祭、第17回釜⼭山国際映画祭をはじめ各国の映画祭で上映され、エクアドルの第11回クエンカ国際映画祭では主演の片野翠が主演男優賞を受賞するなど⾼い評価を獲得。台湾では劇場公開も果たした。また、2013年7月には『くじらのまち』の功績により、出身地の⾧野県上⽥市より上田市⻑表彰が授与された。大学卒業後は東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻監督領域に進み、⿊沢清監督に師事。１年目に撮った長編第２弾『はつ恋』が第32回バンクーバー国際映画祭ドラゴン&タイガー賞にノミネートされる。2014 年3月、修了作品『あの電燈』を発表。同作はユーロスペースで公開されたほか、各地の映画祭で上映され、またロケ地の上⽥市で開かれた上映会では約300人の観客を集めた。次回作は新潟の燕三条で地元市民が立ち上げた「燕三条フィルムプロジェクト」で製作する『ともに担げば』で、『過ぐる日のやまねこ』の和茂役を演じた植⽊祥平と材木店の従業員・浩二役の髙野春樹がダブル主演する。