福島写真美術館プロジェクト成果展

原始感覚美術祭×大町リノベーションプロジェクト×はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト
福島写真美術館プロジェクト成果展

 信濃大町駅徒歩1分の商店街入口の空き店舗をリノベーションして、人が集まる面白い「場」をつくるプロジェクト、大町リノプロ。スペースのオープンとともに、「福島写真美術館プロジェクト成果展」を開催する。

 はま・なか・あいづ文化連携プロジェクトは、福島県会津若松市にある福島県立博物館が中核となり福島県内の大学・文化施設・NPO等との連携により実施しているアートプロジェクト。東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故後の福島で、文化芸術による福島の復興、未来への模索を目的に2012年度から活動を展開している。
 複数あるプロジェクトの一つ「福島写真美術館プロジェクト」は、震災・原発事故後いち早く福島での取材・発信を行っていた写真・動画による表現に注目し、福島における写真表現の意義を捉え直そうとするものだ。
 福島の自然の美しさ。人々の暮らしの尊さ。震災の爪痕。日々の中に落ちている原発事故の陰。
 それら福島の文化の豊かさと解決すべき問題について、写真や動画だからこそ伝えられる、問いかけられるアプローチを、本プロジェクトは試みてきました。
 2012年から2015年にかけて福島を訪れ、それぞれの視点で「福島の今」を捉え、留めた写真家・作家たちの真摯な制作の成果は、ひとり福島のためのみではなく、日本の将来が抱えるであろう課題へのヒントとして、広くこの国で共有されるべきものと考えます。
 その共有の第一歩として、自然豊かな長野県大町市の魅力をアートを通して伝え続けている原始感覚美術祭様、地域の交流の場を生み出し文化活動の拠点を形成しようとされている大町リノベーションプロジェクトとの協働により、震災後から福島へのあたたかい支援の手を差し伸べてくださっている長野県大町市において、関係各位のご協力により、本プロジェクトの成果展の開催を企画いたします。
本展が、復興に向かう福島の姿を伝え、大町市、長野県と福島県の交流のきっかけとなることを願っています。


【展示作品】(予定)
「Cesium」【写真作品】
作者:瀬戸正人(写真家)
制作年:2012年
写真家の瀬戸正人が、見えない放射能の存在を写真に定着しようと試みた作品シリーズ「Cesium」。見る者の想像力と思考を刺激し問いかける。

「Samurai」【写真作品】
作者:高杉紀子(写真家)
制作年:2012年
写真家の高杉紀子が、重要無形民俗文化財「相馬野馬追」の騎馬武者を取材。数百年続く伝統的な祭礼への人々の思いを形にした。

「飯舘村の田植え踊り」【写真・映像作品】
作者:小野良昌(写真家)
制作年:2013年
写真家の小野良昌が、全村避難中の飯舘中学校生徒が取り組む田植え踊り学習の取り組みを撮影。飯舘村の文化・歴史の豊かさ、生徒たちの成長の姿、村人の思いなどを伝える作品。

「ARDA南相馬写真ワークショップ」【写真作品】
企画・指導者:今井紀彰(美術家・写真家)
制作年:2013年
美術家・写真家の今井紀彰が、南相馬市の幼稚園で行った写真ワークショップの作品。

「sacrifice」【写真作品】
作者:片桐功敦(華道家)
制作年:2013〜2014年
華道家の片桐功敦が、福島県南相馬市を拠点に東日本大震災の被災地を取材、撮影。震災後の自然環境の変化と南相馬の歴史・文化をテーマに写真作品を制作した。

「distance」【写真作品】
作者:赤阪友昭(写真家)
制作年:2013〜2014年
写真家の赤阪友昭が、福島県内各地で取材、撮影。震災後の自然環境の変化をテーマに写真作品を制作。はま・なか・あいづの震災後の変容と変わらないものを浮き彫りにした。

「未知(みち)」【写真作品】
作者:安田佐智種(美術家)
制作年:2013〜2014年
ニューヨークを拠点に活動中の美術家・安田佐智種が、津波被災地を取材し、被災地に残された住宅基礎をモチーフにした作品を制作。

「水源域・福島」【写真作品・映像作品】
作者:本郷毅史
制作年:2014〜2015年
写真家の本郷毅史が、福島を代表する河川の水源をたどり写真と映像作品を制作。福島の美しい自然の象徴である水源域の光景が、福島の今を想起させる。

【関連イベント】
トークセッション「福島の過去・現在・未来とジブンごと」
日時/8月24日(月)15:30〜17:00
会場/大町リノプロ
ゲスト/田中司郎(元・福島県富岡町副町長)、本郷毅史(写真家/はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト2015参加作家)、杉原信幸(美術家/原始感覚美術祭アートディレクター)、川延安直(福島県立博物館学芸員)
モデレーター/本島望(大町リノベーションプロジェクト)
司会:小日向勲(大町リノベーションプロジェクト)


はま・なか・あいづ文化連携プロジェクトとは…
福島県立博物館が福島県内の大学、文化施設、NPO等との連携により2012年から実施しているアートプロジェクト。はま(福島県の太平洋側)、なか(東北新幹線、東北自動車道が貫く福島県の中央部)、あいづ(新潟県に隣接する福島県の山間部)で展開する活動を通して、福島の文化・歴史・自然の豊かさを再発見すること、福島が抱える課題を共有し共に考える場を生み出すことを目的としている。2015年度は、8つのプロジェクトを実施する。
詳しくはこちら → hamanakaaizu.jp

インフォメーション

日程2015年8月1日(土)〜8月23日(日)
会場大町リノプロ(大町市大町3201-14)
時間10:00〜17:00
チケット料金入場無料
お問い合わせ先【会場について】大町リノベーションプロジェクト Tel.090-1795-9093(小日向)、080-5495-6251(本郷) 【事業について】はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト Tel.0242-28-6067(事務局直通)