「Parallel Nature パラレル・ネイチャー 自然から学ぶ4ヵ月」

畦地梅太郎「鳥をかかえて」

 私たちがふだん包まれて暮らしている自然。自然の美しさは私たちの周りに、時に捉えきれない程に大きく広がっている。こうした自然から、古来芸術家たちはインスピレーションを受けて作品を制作してきた。近在の若手作家の作品を中心にした本展は、現実世界と同時に存在しているもうひとつの「自然」の姿と、それを捉える作家の眼差しの中に、改めて自然と向き合う手掛かりを探る試みを紹介する。
また、さまざまな学びの場として、山、水、縄文、土、鳥の5つのキーワードをもとに、各分野で活躍する研究者や作家を迎えたイベントも開催する。


【出展作家】

末永恵理
東京都出身。東京芸術大学美術学部油画科卒業、同大学大学院壁画科修了。1999年に長野県富士見町に移住し、以後八ヶ岳山麓で制作を続ける。2004年、八ヶ岳美術館にて個展「木の神、木々への想い」を開催。2010年小海町高原美術館の企画展「感覚の向こうへ」参加。近年は反復・増殖するような点描によって自然や生命の理を表現しようとしている。

末永恵理「May」


畦地梅太郎
1902年愛媛県北宇和郡二名村(現宇和島市三間町)生まれ。上京後、内閣印刷局活版係の職に就き、仕事の空き時間に鉛版画を始める。1936年、初の木版画集『伊豫風景』を発表。山岳風景を主題に制作を続け、1950年代からは山男を題材にした作品の制作を始め、その素朴ながらも情感あふれる山男像は多くの人々の心をつかみ、「山の版画家」として現在も親しまれている。1999年、96歳で逝去。


山内 悠
1977年兵庫県生まれ、長野県在住。独学で写真をはじめ、スタジ オアシスタントを経て、作品制作を続ける。計600日を富士山七合目の「大陽館」にて過ごす。滞在中に撮り続けた作品をまとめた写真集『夜明け』(赤々舎)を2010年に発表し、国内外で個展を開催。2014年、「大陽館」の主に焦点をあてた山小屋での日々を著した書籍『雲の上に住む人』(静山社)を刊行。近年は長野県を拠点にしながら屋久島、モンゴル等での撮影を続けている。

山内悠「夜明け」


熊谷幸治
1978年神奈川県生まれ。武蔵野美術大学工業デザイン学科在学中に縄文土器と出会い、土器作りを始める。2003年大学卒業後、土器作家として独立。東京での制作を経て、山梨県上野原に工房を移す。土探しから成形、焼成、仕上げまでの一連の工程を重んじて土器を制作する。土偶、土面、オブジェ、写真等、多様な表現方法をとりながらも、一貫して自然に宿る神性を表現する。

熊谷幸治「八百万」


【関連イベント】

【山】
ホーリー・マウンテンズ・ツアー in 八ヶ岳  
▽出演:豊島秀樹(クリエイター)、山内悠(出展作家)  
▽日時:4月25日(火)18:00~19:30
2016 年にモエレ沼公園(札幌)で開催された展覧会、「ホーリー・マウンテンズ 内なる聖山へ続く三つの足跡トレース」。長期に渡って山に入り、山との関係性を築く人々に焦点をあてたこの展覧会で上映された映像(約30 分)の上映を中心に、スライドを交えたトークショーを行います。
▽参加費:1,500円(入館料込み)


【水】
▽講演会「自然、神、人、水」  
▽日時:5月13日(土)13:30~15:00
▽講師:笹本正治(長野県立歴史館館長)
▽参加費:無料(要入館料)


【縄文】
講演会「縄文の大地観、生命観をもとめて ~武藤雄六・猪風来・岡本太郎~」
日時:7月1日(土)13:30~15:00
講師:田中基(縄文図像研究)
参加費:無料(要入館料)


【土】
ワークショップ「熊谷幸治さんと土器を作る」
▽講師:熊谷幸治(出展作家)
▽日時:①土を掘り、成形する 6月25日(日)13:30~16:00 ②土器を焼く 7月22日(土)13:30~16:00
▽参加費:3,000円(入館料込み)


【鳥】
講演会「諏訪の野鳥おもしろ生態学」
▽日時:7月17日(月・祝)13:30~15:00
▽講師:林正敏(日本野鳥の会諏訪支部長)
▽参加費:無料(要入館料)





インフォメーション

日程2017年4月1日(土)~7月30日(日) 
会場八ヶ岳美術館
時間9:00~17:00 
チケット料金大人510円/小人250円
詳細ホームページhttp://www.lcv.ne.jp/~yatsubi1/
お問い合わせ先八ヶ岳美術館 Tel.0266-74-2701