「アートはサイエンス」

HAKONIWA ⓒ daisy*

鬼頭 健吾《active galaxy》
群馬県立近代美術館、2015 active galaxy 撮影 Shinya Kigure


戦後、急成長を遂げた日本の産業・科学技術。自動車や家電製品は、当時の人びとに新しい技術として受け入れられ、広く普及。その後の約70年間でそれらは進歩し、現代ではコンピューターを利用した“最先端の科学技術”によるさまざまな製品が身の回りに当然のように存在している。科学の進歩と共に、私たちの生活も気付かないうちに変容している。それに伴い、美的感性もまた多様化していると言えるのかもしれない。
このたび注目するのは、“科学技術の発展によって新たに生まれる芸術表現”であり、それらと共に成長する未来。20世紀初頭から戦後の前衛の時代には、科学技術が実験的な試みとして芸術作品の中に登場してきた。そして現代においては、コンセプチュアルな面から空想や理念を具現化するために最新テクノロジーが駆使されている。メディア・アートでもその進化を見てとることができる。ナム・ジュン・パイク(1932〜2006)が開拓したビデオ・アートは、美術に「映像」という分野を生みだした。以後、コンピューターグラフィックスの進化やパソコンの普及もあり、それらはより身近なものとなった。近年、美術館や博物館での展覧会においても映像をはじめとするさまざまなメディアの導入がなされている。また、インタラクティブな要素を持つ作品の展示は、新感覚のアートとして常に話題を集めています。
本展では、多様化する “現代美術”の新たな可能性を指し示すひとつの動向として、科学の発展を味方に付けたスタイルの展開を追い、芸術家が切り開こうとしている領域を紹介する。


荒木 博志《Astroboy》
1993 Galerie LIBRAIRIE 6 撮影 奥村純一 © Galleria AMICA

マルセル・デュシャン《アネミック・シネマ》1925-26
Marcel Duchamp, Anémic cinéma 1925-26
Courtesy of “ Unseen-Cinema: Early American Avant-Garde Film 1894-1941”, a film preservation collaboration between Anthology Film Archives and Deutsches Filmmuseum and generously supported by Cineric, Inc. www.unseen-cinema.com


【出品作家】
マルセル・デュシャン
ジョー・ジョーンズ
田中敦子
松田豐
鬼頭健吾
土佐尚子
四谷シモン
荒木博志
河口洋一郎
ナム・ジュン・パイク
西島治樹
Seiei Jack
ヤン・ヨンリァン
daisy*




インフォメーション

日程2017年4月29日(土・祝)〜9月18日(月・祝)
会場軽井沢ニューアートミュージアム第1~第6展示室
時間10:00~17:00(7〜9月は18:00まで)/火曜休館(休日の場合は翌日)※8月は無休
チケット料金一般1,200円/高校・大学生・65歳以上900円/小・中学 600円/未就学児無料 ※団体割引あり
詳細ホームページhttp://knam.jp/guide/
お問い合わせ先軽井沢ニューアートミュージアム Tel.0267-46-8691