平成29年度 諏訪市美術館 特集展示「織田昇追悼展-旅と思考から生まれた絵画」

織田昇「諏訪湖風景」

平成25年度から、私たちの身近で精力的に制作活動をおこなっている作家の現在を紹介する特集展示のシリーズ。
今年度は諏訪地域、および諏訪市美術館にゆかりのある作家として、岡谷市出身で2016年3月にこの世を去った画家・織田昇氏(1927-2016)の洋画を特集する。

織田昇は1927(昭和2)年岡谷市生まれ。1948(昭和23)年に信州美術会会員となり、信州美術会諏訪支部長、県展幹事長、審査員などを歴任した。
また、県展にて特選、知事賞などを多数受賞し、県買上げ一号となるなど長野県美術に残した足跡は大きい。

その織田が絵の道に進むことになったきっかけが諏訪市美術館であった。1948年に「諏訪美術館」で開催された「第1回大家展」にて、
梅原龍三郎、安井曾太郎、石井柏亭、横山大観、奥村土牛、安田靫彦ら名だたる芸術家の作品を間近に鑑賞し感銘を受け、諏訪市美術館の成長とともに歩んでいくこととなった。
作品は、大胆な表現と画面内の統制が絶妙な風景画が多く、奈良をはじめとする国内はもとより、中国やインドといったアジアなど世界をスケッチし作品にしている。1961(昭和36)年から洋画家・小林和作に師事し、その影響も見て取れる。また、独自の思想があり、晩年は放送大学大学院に入学して東洋哲学を学び、修士論文を書き上げた。

本展では、世界を旅して描いたスケッチブック、愛用の画材やベレー帽などの資料や初期の作品、師である小林和作の作品とともに、織田の画業を振り返る。諏訪地域の美術と諏訪市美術館を支えた織田の没後1年を追悼する機会としつつ、改めて、描かれた風景や人、植物から躍動のざわめきが聞こえてきそうな生き生きとした絵画をお楽しみに。


【関連イベント】

つきいちアート6月 「画家・織田昇の画業」
 学芸員が作品や作家について、解説する。なお、御息女である小田野梓様より、作品や作家の人柄をインタビューした内容も併せてお話しする。
◉日時:平成29年6月24日(土) 午後2時~(およそ1時間)
◉会場:諏訪市美術館 展示室
◉定員・対象:なし
◉申込:不要
◉参加料:入館料のみ

おはなし鑑賞会
 展示作品を鑑賞者全員で感想や印象をお話ししながら鑑賞する。
◉日時:平成29年5月20日(土) 午後2時~(およそ1時間)
◉会場:諏訪市美術館 展示室
◉定員・申込:なし
◉参加料:入館料のみ




インフォメーション

日程2017年4月29日(土)~7月26日(水) 
会場諏訪市美術館1階展示室(細川宗英コーナーを除く)
時間9:00~17:00(入館は16:30まで)/ 月曜と祝日の翌日
チケット料金一般(高校生以上)300円/小中学生150円/身障者(介助者1名まで同額)150円 /諏訪地域の小中学生は無料 ※団体割引あり  
詳細ホームページhttp://www.city.suwa.lg.jp/scmart/
お問い合わせ先諏訪市美術館 Tel.0266-52-1217