山口愛『タジンオーの洞窟』|Megumi Yamaguchi “in the cave”


《陶板絵 タジンオーの洞窟》2016  105×240×25

《掛け土器 母子》2016  250×205 口径30

《掛け土器 母子》2016  250×205 口径30


線を引き形を成すことで世界へのアクセスを試みる山口。つねに手を動かしつづける作家は、いわゆる絵画のキャンバスに油絵具という枠からはみ出し、徐々にその支持体をより原始的な状態へと移行してきました。
今回並ぶのは、陶に鉄釉などで線を引き焼き付けた複数の陶板群。古代壁画を思わせる画面には様々なモチーフが描かれます。ほとんどの作品は下絵も習作もなく一発で仕上げられ、その一瞬の時間が閉じ込められた筆致からは複数の境界を揺るがす、どこか遠くからの物語がきこえてきます。
陶板は熊本で作陶する水谷智美さんによるもの。まるで地中から出土したような質感も合わせてお楽しみください。
3/19(日)、20(月・祝)には作家の山口も在廊します。ぜひご高覧ください。


偶然に引いた線も、慎重に引いた線も、もともと世界のどこかにあった線や形。そういう意識で線を引くと、どんな絵になっても私は世界のどこかとつながることができる。そもそも、つながっているから絵を描けるのかもしれない。仄暗い闇のなかに一筋の光が差し込むような瞬間に出会いたい。
絵を描ける幸運を大切にしたい。(山口愛)

《陶板絵》2016  310×180×20

《陶板絵》2016  310×180×20



協力|水谷智美



インフォメーション

日程2017年3月3日(金)〜3月20日(月・祝)
会場awai art center
時間
12:00〜19:00/金・土・日・祝のみオープン
詳細ホームページhttp://awaiartcenter.tumblr.com/
お問い合わせ先awai art center Tel090-2427-4374(代表)