シュルレアリスムとその展開 マックス・エルンスト 上原木呂 特別招待:ヤン・シュヴァンクマイエル

上原木呂《アングルとエルンスト・ヘッケルのための変奏曲とフーガ》2010年

上原木呂《時の万華鏡㈵ 大漁》2009年

上原木呂《時の万華鏡㈵ 大漁》2009年


第一次世界大戦終結直後に生まれたシュルレアリスムは、あらゆる存在を理性・道徳から解放しようとしました。
マックス・エルンスト(1891〜1976)は、解放された存在同士がひとりでに引き寄せ合い、新たなオブジェとして結びつく瞬間を目撃し、その鮮烈なイメージを“コラージュ”に焼きつけました。
今回の展示では、エルンストの“コラージュ・ロマン”第1作『百頭女』(1929)初版のフルセットを本邦初公開します。

書物の挿絵といった、生活空間の中にモノとして実在するイメージが解体・再構築を繰り広げ、現実の記憶との不思議な再会の場を作りあげます。
若くして瀧口修造と出会い、シュルレアリスムにかかわった上原木呂(1948〜)は、特にエルンストのコラージュ・ロマンに影響を受け、切り貼りや手描きの痕跡を残す《眼球國譚》(2003年)を制作。コラージュの表層を目で触れれば、次々と姿を変える女主人公との遭遇の実感を覚えることでしょう。その後、上原は極彩色のコラージュ連作の制作に移りました。今回、コラージュ作品から現在取り組んでいる抽象表現主義絵画まで展示し、上原の幅広い画業を紹介します。

また、特別招待として、チェコのシュルレアリスト、ヤン・シュヴァンクマイエル(1934〜)の映像作品とコラージュ、版画を合わせて展示します。
映像作品では、触覚に訴える確かな物質感をもつオブジェをコマ撮りし、操ることで、オブジェがうごめき、私たちの視覚を揺り動かします。

シュルレアリスムによって培われた、既成の概念にとらわれない自由自在な思考による、三者の多岐に渡る表現をご覧ください。



 

上原木呂《こんにゃくアート ペタンペタン》2016年

上原木呂《こんにゃくアート ペタンペタン》2016年

上原木呂《眼球國譚 自分の「復活を祝う気になった。》2003年コラージュ(フォトコピー)、ペン

上原木呂《眼球國譚 自分の「復活を祝う気になった。》2003年コラージュ(フォトコピー)、ペン

 



インフォメーション

日程2016年10月15日(土)〜2017年4月9日(日)
会場軽井沢ニューアートミュージアム 第1~第6展示室
時間10:00~17:00(入館は16:30まで)/火曜休館(祝日の場合は翌日)※ 12月27日(火)〜1月1日(日)、1月17日(火)〜24日(火)
チケット料金一般 : 1,000円/高大生・ 65歳以上: 800円/小中生 : 500円 ※団体割引あり
詳細ホームページhttp://knam.jp/
お問い合わせ先軽井沢ニューアートミュージアム Tel. 0267-46-8691