企画展「飯沼英樹 闘ウ女神タチ」

《Oberbayern》 2016年

彫りだされた視線 艶やかに、したたかに―
白波の月、黒空の星、五色の人。彫刻王子、生誕の地・松本に凱旋。

《Andechs》 2016年

《Andechs》 2016年


国内外で活躍を続ける松本市出身の彫刻家・飯沼英樹。その全貌をご紹介する初めての展覧会です。

現在を生きる飯沼が刻むのは、やはり現在を生きる女性の姿。
煌びやかな衣装を身に纏い、最先端のメイクで武装したモデルたち。
飯沼はファッション誌の一枚の写真からインスピレーションを得て、被写体の内面までも彫りあげます。
その彫像に対峙したとき、心を見透かされているような感覚に襲われるかもしれません。
鑑賞者の感性による補正を経て、モチーフの存在感はさらなる高みへと到達しているからでしょう。

2000年ごろから手掛けはじめた女性像は、これまでに300体を数えます。
等身大の像もあれば、わずか数センチの小さな作品も。
そのいずれもが、一定の存在感を備えているのは、作者の揺るぎない精神性によるものでしょう。
一心不乱に雑木を刻み、生涯に数えきれないほどの仏を創りあげた木喰僧の姿がふと頭をよぎります。
木喰仏と飯沼の女性像を同一視することはいささか乱暴かもしれません。
しかし、無関係であると言い切ることができないのは、女性像の気高さからくるのでしょうか。
そして、気高さの根源は、着飾った姿ではなく、纏うことによって自らを奮い立たたせてきた内面によるものでもあります。
木喰僧の終着点は自らの肉体が滅びた後の「魂」の救済。飯沼英樹が見据えるのは何でしょうか―。

そして、同じ時を生きる「作家」と「鑑賞者」、その関係性から展開していく展覧会でもあります。



飯沼英樹

飯沼英樹


1975 年、松本市生まれ。長野県松本蟻ケ崎高等学校卒業後、玉川大学、愛知県立芸術大学大学院を経て、フランス政府給費留学奨学金を取得してナント地方美術学校(フランス)に入学。同学のヨーロッパ高等教育交流プログラムによりコペンハーゲン(デンマーク)、ミラノ(イタリア)、カールスルーエ(ドイツ)に留学。2006年に帰国した後もヨーロッパを中心に作品発表を続けている。現在は東京にアトリエを構え、制作に励む。
受賞等/2004年「国際彫刻シンポジウム」最優秀賞(マルクノイキルヘン・ドイツ)、2005 年「Ernst Barlach Preis」エルンスト・バルラッハ賞 (ドイツ) 、2013 年「六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2013」主催者特別賞、2015 年「LUMINE meets ART AWARD 2015」グランプリ。



【関連イベント】

五感で楽しむアート 「美術館でヨガをしよう!」
 体を使って作品鑑賞をしてみませんか?噂のヨガ・ヒデキが登場します!
日時◉11月6日(日)13:30~14:30
講師◉ヨガ・ヒデキ
対象◉小学生~大人
定員◉15 名
料金◉無料
申込◉10月6日(木)から松本市美術館へ(0263-39-7400)


学芸員によるギャラリートーク
日時◉10月29日(土)、11月12日(土)各日 11:00~
会場◉企画展示室
定員◉先着20名程度
料金◉無料(ただし、当日有効の本展覧会の観覧券が必要)
申込◉不要。企画展示室前に集合。


美術館以外の場所に飯沼作品が出現!
松本パルコ、ホテルブエナビスタ等に飯沼英樹作品が登場。いつ、どの作品がお目見えするのか?
松本市美術館展覧会ホームページにて最新情報を掲載していきます。




インフォメーション

日程2016年9月17日(土)~11月27日(日)
会場松本市美術館 企画展示室
時間9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)/月曜休館(祝日の場合は次の平日)
チケット料金大人 800 円/70 歳以上の松本市民600円/学生無料
詳細ホームページhttp://sbc21.co.jp/iinumaten/
お問い合わせ先松本市美術館 Tel.0263-39-7400