特別展 和歌と物語の美のかたち

美術品を通じて伝えられた文芸の世界


 かつて人々は、三十一文字(みそひともじ)に豊かな世界観を集約させた和歌や、「伊勢物語」「源氏物語」など古典文学を、屏風や絵巻に描いて楽しみました。
調度品として室内を区切る屏風や、手に取って開いてみる絵巻、愛用する茶道具など、身近なところに文学の世界が広がっていました。
本展では、歌仙・大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ)を描いた「三十六歌仙絵巻断簡(さんじゅうろっかせんえまきだんかん)」、真言宗の開祖である空海の生涯の事跡を描いた「弘法大師伝絵巻(こうぼうだいしでんえまき)」、かつての職人の姿を歌とともに伝える「東北院職人歌合絵巻(とうほくいんしょくにんうたあわせえまき)」のほか、千利休が返礼に雁をもらったというエピソードを持つ黒楽茶碗「雁取(がんどり)」など和歌や物語を描いた優品が一堂に会しています。
いにしえから現在に至る貴重な美術品の数々を通じて、人々の憧れがこめられた、和歌と物語の世界をお楽しみください。



【関連イベント】
第3回美術講座「物語絵の創造力―『源氏物語』と『伊勢物語』を中心に」
 物語絵は、言葉によって綴られた文学作品の内容を、目に見える〈かたち〉に表したものです。画家や注文者など、絵の制作にたずさわった人たちは、劇的な物語の情景を生き生きと見せるために、実にさまざまな工夫を凝らしました。『源氏物語』や『伊勢物語』などの例を挙げ、物語を絵に描くことの難しさ、それに挑んだ画家たちの豊かな創造力についてお話します。
▽日時/2015年12月7日(月)13:30〜15:00(開場13:00)
▽会場/サンリツ服部美術館2階 喫茶室
▽講師/廣海伸彦(出光美術館学芸員)
▽定員/60名
▽参加費/入館料のみ
▽申込方法/サンリツ服部美術館 Tel.0266-57-3311

インフォメーション

日程2015年11 月21 日(土)〜2016年1 月31 日(日)
会場サンリツ服部美術館
時間9:30〜16:30/毎週月曜日(祝日を除く)・2015 年12月21 日(月)〜~2016年1月3 日(日) 休館 ※1月4 日(月)は開館
チケット料金大人1,000円/小中学生 600円 ※団体割引あり
詳細ホームページhttp://www.sunritz-hattori-museum.or.jp/
お問い合わせ先サンリツ服部美術館 Tel.0266-57-3311